散散歩歩。(1011)東北迷走の旅(3)

9月7日(月曜日)。
4日間の休みの迷走の旅の2日目であります。

昨夜のお酒で、少し胃が重い。
ベッドで横になりながら、山形にいるんだと言う事を感じていた。

8時30分頃、レストランへ向かう。
朝食は、バイキングだ。
種類は、それほど多くはないが、美味しそうな小鉢が並ぶ。

コロナのせいで、スタッフが取り分けてくれたりするので、レストラン内に、どうだろう、記憶では5人ぐらいか、可愛い女性が、スタンバイしている。
恥ずかしくて、そうそうお替りを取りにもいけない感じがするけれど、まあ、凡だから食べちゃうだろうね。

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IMG_3239 - コピー.JPG(ひっぱりうどんも食べたよ)
IMG_3240 - コピー.JPG(ヨーグルトのパックが可愛かったので、食べてしまった。)

郷土料理のカウンターがあるのは、うれしいな。
山形の芋煮や、ひっぱりうどん等を頂いた。
ああ、山形へ来たんだなと、旅気分になれる。

時間が遅めのせいか、レストランは、ガラガラだった。
ふと、斜め前のテーブルを見ると、70歳近い男性と、50代後半の女性が、食事をしている。

見た瞬間、夫婦じゃないなと思った。
たぶん、飲み屋のママと、そのお客さんだろうか。
それも、近所の飲み屋じゃなくて、東京かどこかからの秘密の旅行ってな感じだ。
実にうらやましいではないか。

何故、夫婦じゃないかと言うと、男が何かを言うたびに、いちいち、女は1オクターブぐらい通常の声よりも高めの声で、「きゃは。」とか、そんな嬌声を発するのだ。
夫婦なら、こんな声は、まずもって出さない。

しかし、何故、山形なのだ。
秘密の旅行なら、他にもっと楽しそうな場所もあるし、温泉旅館なんて選択肢もある。
男性は、会社のエライさんで仕事に来ている。
んでもって、女性は、秘書で、表向きは、休みだけれど、エライさんに付き添って、お忍び旅行なんてね。
それなら、さらに、うらやましいじゃない。

凡なんて、女の人に、1オクターブ高い声で、「きゃは。」なんて、言って貰ったことがないぞ。
いつも、「ふーん。」とか「あ、そう。」とかばかりだ。
「あ、そう。」ってさ、あなたは、昭和天皇かってね。
まあ、こんなツッコミを入れたって、若い人には解らないか。

それにしても、みゆきさんも、気になっている男性の前で、「きゃは。」なんて声を出すのだろうか。

凡と、みゆきさんも、山形に秘密の旅行である。
一夜を共にして、次の日の朝。
レストランで、凡が何かを言うたびに、みゆきさんは、1オクターブ高い声で、「きゃは。」なんて、口許を押さえながら発するんだ。

それは、スゴイな。
たとえ、妄想であっても、スゴイぞ。

でも、みゆきさんは、「きゃは。」なんて言うのだろうか。
イメージでは、凡が何かを言ったら、レストラン中に響き渡るような声で、「あはははは。」なんて、大笑いしそうだ。

それは、それで、可愛いだろうけれど、それが実際に起こる可能性はゼロだ。
ひょっとして、他の男性の前では、そんな「きゃは。」を言うのだろうか。
想像するだけで、嫉妬で狂いそうだよ。

そんなことになるぐらいなら、もう、世界人類全員抹殺計画だ。
いや、そんな無謀はいけない。
とりあえずは、凡以外の男性のみ、抹殺だ。
と、恐ろしく根暗で陰湿な凡が出現。
なのだけれど、凡は血を見たら気が遠くなるので、まあ、抹殺は無理だろうな。

と、そんなあり得ない話を、知らない中年カップルを見ながら考えていた。
さて、部屋に戻ろう。

ゆっくりめの10時過ぎにチェックアウト。
JRの案内所に向かう。

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ホテルのすぐ前に、「やまぎん県民ホール」があった。
考えて見れば、今年の4月7日に、ここで、みゆきさんが、「結果オーライ」をやる予定だったんだよね。

凡は、岩手の方が当たっていて、山形は、予定はなかったんだけれど、何人ものファンが、ここに来ることを夢見てたんだよ。
中に入って、大ホールの前まで行ってみたが、みゆきさんの欠片もなかったね。
それはそうだ。

そのまま、JRに行って、案内所で、両所神社への行き方を訊ねた。
山形での観光のひとつめ。

バス停で、待っている間に、みゆきさんの出身校のバス停への行き方を確認。

まずは、山形駅から、バスで両所宮前に移動。
少し歩いて行くと、神門が見えた。

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この両所神社というのは、鳥海月山両所宮(ちょうかいがっさんりょうしょぐう)といって、鳥海山の大物忌神(おおものいみのかみ)と月山の月読命(つきよみのみこと)の両方をお祀りしているので、こういう名前になっている。

詰まり、ここ1か所にお参りをしたら、2カ所の神様にお参りしたことになる、非常にお得な神社なのであります。
月山は、以前、鶴岡市に行った時に、行ってみたかったが、行けなかった山だ。

まずは、本殿で、あれやこれや、欲張ってお参りをする。
本殿には、それぞれの神様の額が掛かっていて、その奥に、それぞれの神社があるようだ。

新型コロナの対策で、鈴緒を触ってはいけないとのことで、エアーで鈴を鳴らす。

IMG_3253.JPG(2つの額が、何とも誇らしげに掛けられている)

神社の横には、池もあり、ぶらぶらと散策をしていたら、池の真ん中にある小さな石で出来た祠のようなものから、何も無いのに、見た瞬間に、水紋が広がっていった。
何かのメッセージなのだろうか。
凡の願いが、水紋が広がるように、叶う世界になるのかもね。

さて、次は、いよいよ、みゆきさんの通った中学校である。
バス停まで戻ると、次のバスまで、まだ30分ぐらいある。
しかし、日差しが強くて、暑い。
このままバス停で待っているのは、かなりツライだろう。

タクシーで行くかと、迷っていたら、目の前を空車が通り過ぎる。
「ああ、今のタクシーに乗れば良かった。」

やっぱりタクシーにしようと思ったら、次のタクシーは、来ない。
どうにも迷走している。

今日も焦っているんだ。
冷静に考えると、別に、このまま山形で連泊しても良い。
予定がないんだから。
でも、焦っているんだよね。
先を急いでいる。
どこに向かって?
自問しても、分らない。

それにしても、暑いので、少し先にある大きな薬屋に入る。
エアコンの涼しい風が目的だ。
そこで、薬をあれこれ見ながら時間を潰す。
まあ、凡は、薬が大好きだからね。
そんでもって、エアコンのお礼に、消化酵素などを購入。
たぶん、今日の夜に、飲むことになるだろう。

さて、バスが来たので、みゆきさんの出身校の近くのバス停に向けて移動。
途中、七日町など、賑やかな場所も通過するので、バスからの車窓を楽しむ。
バスは、これがあるから、楽しいね。

んでもって、松見町のバス停に到着。
ここから、少しばかり歩く。

すると、交差点のところに高い看板のような柱が立っていて、「山形市立第六中学校」の文字が見えた。
ああ、愛おしい。

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校舎の入口に立つ。
ここに、中学生のみゆきさんがいたんだ。
単純に、うれしい。

ただ、半分、冷静な凡もいる。
というのも、この山形にいたのは、話に聞くと、4ヶ月ほどらしいのだ。
なので、これは想像だけれど、みゆきさんだって、そこまで思い入れはあるのかといえば、遠い昔の事だもの、記憶も曖昧になってきて、あまり郷愁に浸るような気持でもないんじゃないかと思うのだ。

でも、みゆきさんを好きな人にとっては、どうにも愛おしのである。

みゆきさんは、どうとも思っていないものや、場所に、みゆきさんが好きな人が、それを愛おしく思う。
それが、惚れちゃったと言う事なのかもしれないね。

校舎の前まで行くと、ガラスの向こうに、下駄箱が見えた。
数が多いから、たぶん生徒も、ここで靴を脱いでスリッパか上靴に履き替えるのだろう。

この、いくつも並んだ下駄箱の中に、みゆきさんが使った下駄箱があるんだ。
その小さな空間が、これまた愛おしいよ。
その小さな空間に、みゆきさんが脱いだ靴がある。
汗で酸っぱい匂いになった靴がある。

いや、そんな妄想は、してはいけない。
何しろ、そのころは、みゆきさんであっても、中学生なんだからね。

しかし、当時のみゆきさんは、それはそれは、可愛かっただろうね。
もし、凡が、その時に、この山形市立第六中学校にいたら、どうなっていただろうね。
間違いなく、みゆきさんに恋しているよ。

んでもって、みゆきさんに直接に告白する勇気がないから、ひょっとすると、ラブレターなんぞを書いて、この下駄箱に入れたかもしれない。

ただ、このラブレターの入れ方が問題だ。
すぐ分かるように靴の上に置いちゃ、みんなにばれてしまう。
そんなことをしたら、きっと、ちょっと不良っぽい友達に発見されて、教室で、大声で読み上げられてしまう。

なので、靴の中に、2つに折って、ギュッと押し込むとかね。
でも、それじゃ、みゆきさんのことだ、気が付かずに、ずっと何週間も靴に入れたまま、通学とかしちゃうんじゃないか。
そんなことがあっても不思議じゃないのが、みゆきさんだ。

しばらくして、みゆきさんの靴の中から、酸っぱい匂いになった湿った凡のラブレターを見つけるよ。
でも、そんな酸っぱい匂いになったラブレターでも、みゆきさんなら、ゴミ箱に捨てずに、広げて読んでくれる気がするな。
だって、優しいもん。
それに、好奇心も、たぶん旺盛だ。

手紙を取り出した時に、封筒の裏に名前を書いておいたら、周りの友達にバレバレだから、そこは、「ご存知より」なんて、時代劇のドラマのような文字を書いておくね。
それで、ちょっと、みゆきさんが笑ってくれたら、それでいい。

でも、凡の事だから、肝心の手紙の方に名前を書くのを忘れてしまう。
名前のないラブレター。
みゆきさんは、悪戯だと思って、先生に報告するかもだ。

すると、次のホームルームで、その話題が取り上げられる。

「いいか、お前らの中で、中島にラブレターを書いたやつがおる。いいか、お前らはまだ、中学生だ。ラブレター書くなんて、100年早いぞ。いいか、学内での恋愛は、禁止だ。校則で決まってるだろ。いいか、今は、勉強しか考えるな。」

先生の、激しい口調が、気に入らない。
何が、恋愛禁止だ。
時代遅れも甚だしいんだよ、まったく。

「今からやることは、犯人探しじゃない。俺は、お前らの担任として、事実を知っておく必要がある。だから、誰が、中島にラブレターを書いたのか、知る必要があるんだ。いいか、今から、全員、目をつぶれ。そして、ラブレターを書いたものは、手を上げるんだ。」
教室の中が、静まり返る。

何が、犯人探しじゃないだ。
恋愛というものはだね、当人同士の問題なんだ。
お互いに好きだって言う感情、それだけが大切なんだよ。

たとえ、教師の権限という暴力をもってしても、凡は、それに従わない。
絶対にだ。
手なんかあげないぞ。

しばらくして、先生が言った。
「よし、解った。そうだったのか、正直に告白してくれて、ありがとう。もう、このことはいい。よし、次の話題に変えよう。」

えっ、ちょっと待って。
正直に告白してくれてって、凡は手を上げていないぞ。
どういうことなんだ。

それから、1週間ほどして、下駄箱に靴を取りに行った時に、反対側の下駄箱から、みゆきさんと友達の声が聞こえた。

「ねえ、みゆきさあ、あなた、タクミと付き合ってるの?」

「うん、そうなの。あのね、実はね、あのあと、先生が、誰が手を上げたか教えてくれたの。先生も、あんな風に言ってたけどね、中学の時にね、好きな人がいて、告白できなかったんだって。だから、あたしには、誰が手を上げたか教えてくれたの。それが、タクミだったのよ。それで、タクミに、『ご存知より』って、あなたの事でしょって聞いたら、ポカンって顔してたけど、話をしている間に、ホームルームで、手を挙げたって言うから、それから、付き合いだしたの。」

いや、ちょっと待って。
この凡が「ご存知より」なんだ。
タクミは、ラブレターなんて書いていない。
だから、「ご存知より」で、ポカンとしたんだ。
どうして、それが解らないの、ねえ、みゆきさん。

「でもさ、みゆきは、凡ちゃんの事が好きなんじゃないの?最近まで、凡ちゃんの事が気になるって言ってたじゃない。」

「そうなんだよね。でも、それ、すっかり忘れてた。やっぱりね、あたしは、女だったのよ。
女はね、愛する人と一緒にいるより、愛してくれる人と一緒にいる方が幸せなのよ。あたし、それに気が付いちゃった。」

「うががががが、、、、。」(凡の、言葉にならない、言葉である。)
違うよ、みゆきさん。
あなたを愛しているのは、この凡なんだよ。

あの、タクミってやつは、噂によると、遊び人らしいよ。
中学生で、遊び人っていうのも、変な言い方だけれど、そんなやつなんだ。
軽いやつだよ。
すぐに、みゆきさんじゃない女の子に行っちゃうようなやつだよ。

サラサラロングヘアーのミニスカート女の子が来たら、鼻の下をダランと伸ばすようなやつだよ。
うん、まあ、凡も、そんなシチュエーションなら、少しは鼻の下伸ばしちゃうかもだけれど、たとえ伸ばしたとしても、ほんの一瞬だよ。

みゆきさんを、ずっとずっと、愛していられるのは、凡だけなんだよ。
どうか、気が付いてーーーー。
「うがががが、、、。」

「あ、もう時間だ。あたしこれから、タクミとお茶しちゃうんだ。」
みゆきさんは、急いで靴を履いて、両手を左右に振りながら、そんでもって、脚をぴょんぴょん後ろに跳ね上げながら、走っていった。
その後ろ髪の揺れるのが可愛い。

ああ、凡から去っていく人を、可愛いなんて、悲しすぎるよ。
そして、みゆきさんの友達の言葉を思い出す。
みゆきさんが、凡の事が気になっていたという言葉。
ああ、何で、「ご存知より」なんて、書いてしまったんだろうか。

凡は、校舎の前で号泣していた。
って、そんな妄想は、妄想であっても悲しすぎるぞ。

気を取り直して、裏の校庭の方に回ってみた。
誰もいない校庭に、凡は、中学生のみゆきさんのブルマー姿を、、、、これは、妄想でも、してはいけない。

とはいうものの、正直に告白すると、5秒ほど、校庭に、みゆきさんのブルマー姿の幻影を見た気がした。

しかし、それは、中学生のみゆきさんじゃなく、今現在のみゆきさんのブルマー姿だった。
なかなか強烈だ。
色んな意味で、、、、。
さすがに、これは変態と分類される人物に、この凡は、成長したのかもしれない。

みゆきさんが、中学生の時に、4ヶ月だけだけど、この地にいたということは、みゆきさんのお母さんの実家も、この近くにあるということなのかな。
そう思うと、たとえ4ヶ月しか、住んでいなかったといえども、やっぱり、この山形の地が愛おしいのである。
たぶん、お母さんの実家に、一緒に遊びに帰るなんてこともあっただろうしさ。

みゆきさんを生んだお母さんに感謝だ。
いや、みゆきさんを生んだお母さんを、この世に生み出してくれた、おばあさんにも感謝しなきゃ。

まあ、一応、みゆきさんを生んだお母さんのお母さん、詰まり、おばあちゃんを生んだ、祖祖母にも感謝しておこう、いや、祖祖祖母にも、祖祖祖祖母にもね。
いや、キリがないけれど、みゆきさんという女性をこの世に生み出した、すべての人と運命に感謝である。

そして、そんなお母さんや、おばあさんを、育てて来たこの山形という地に感謝した。
ありがとう、山形。

さて、秋田に向かう列車に乗る前に、秋田名物でも食べよう。
みゆきさんは、中学生の時に、何を食べたのかな。

IMG_3274.JPG(後者の裏には、ピラミッドのような山があった。みゆきさんも、この山を見ながら通学したのかな)
ご めんなさい。
(ぺこり)

各記事の下部にあります
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(中島みゆきさんの影をさがして)

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買っていただいた方には、
本当に、お礼を申し上げます。
ありがとうございました。



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