散散歩歩。(1074)信州松本、ただ行って帰っての旅。(2)

8月29日(日曜日)。
青春18きっぷを使って松本まで来た。

さて、晩御飯のお店でも探しに行くことにしましょうか。
まずは、ホテルのお姉さんに教えて貰ったお店を確認に行く。
ホテルの裏なので、すぐに見つかった。

まず1軒目。
お店の前に、ゴミが散乱している。
たぶん、前日に出したゴミを、カラスか犬が漁ったのだろう。
入口の貼り紙を見ると、休んでいる。
やっぱり、日曜日だからね。

んでもって、その近くにあるお姉さんのオススメのお店を見ると、シャッターが下ろされている。
ただ、貼り紙も何も無い。
或いは、開店準備中なのかとも思うが、中に人がいる気配がしない。
やっぱり休みのようである。

仕方なしに、お店探しに歩き出す。
ただ、こういう時間が、ある意味、楽しい時間でもある。
街の中を探検しているようで、ああ、こんなところに、こんなお店があるんだとか。

とはいうものの、メインの通りの、やや裏に当たる飲み屋の多い通りを歩いてみるも、ほとんどのお店が閉まっているのだ。
コロナの営業自粛と、日曜日のダブルで、ほとんど開いていない。

仕方なく、メインの通りも、やや離れた場所も、歩き回るが、ここだというお店が見つからないのである。
いや、開いているお店はあるのだけれど、どうも、凡ひとりではなあ、というお店が多いのだ。
それか、これは、そんなに魅力を感じないなとかね。

ああ、ビールが飲みたい。
だんだん、その欲求が高まってくる。
とりあえず、冷たいのをキューっとやりたいのである。

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ふと見上げると、楽器屋さんがあって、その壁に「ヤマハピアノハウス」という看板が掛かっている。
何故か、ヤマハという文字を見つけると嬉しくなる。
しかし、今回はそれが、凡のビールに飢えた脳には、「ヤマハビアハウス」に見間違えてしまった。

しかし、もしヤマハさんが経営するビアハウスがあったら、それは絶対に入っちゃうよね。

ヤマハのスピーカーで、みゆきさんの曲を聞かせて醸造した地ビールを飲みながら、ビアハウスの奥の小さなステージ「リトル松本」では、さすがに、みゆきさんが生歌というのは、無理だろうから、地元の松本の新人シンガーソングライターが練習を兼ねて歌っている。

照明を落とした店内に、女子大に通いながら音楽活動をするロングヘアーの女の子が歌う、悲しい曲なのに、若々しいい声が流れている。

凡は、冷たい地ビールを流し込んだら、急に涙が落ちた。
いや、女の子の曲に影響されたんじゃない。
どうにも、鬱々とした感情が沸き起こってくる。

「マスター、どうしちゃったんだろう。何故か、悲しくなっちゃったよ。」

すると、マスターは、グラスを拭き上げながら言う。
「それはそうですよ。だって、その地ビールは、みゆきさんの『うらみ・ます』を流しながら造ったビールですから。」

「うわあ。それはキツイビールですね。」
「ええ、それ3杯飲んで、自殺しようとした人もいるんですよ。私が、気が付いて、なんとか止めましたけどね。なので、お店でしか販売してないんですよ。」

「しかし、こんなビールばかり飲んじゃいられないよ。せっかく、松本に来たのに、もっと楽しくなるビールはないんですか。」
「あるよ。」
って、マスターさ、テレビドラマ好きなのね。

マスターが目の前に置いたビールは、ややレトロなグラスに入れられている。
それを、キューっとやると、急に、訳も分からない歌詞を口ずさみたくなる。

何だろう、この懐かしくも、ウキウキする感じは。
「ねえ、マスター、これは、どういうビールなの。」
「はい。それは、東京節を聞かせて造ったビールです。」

「いやいや、東京節って、大正時代に流行った、添田知道が歌詞を書いた曲ですよね。そんな曲、誰も知らないでしょう。」
「いえ、それが、結構人気なんですよ。ほら、お客様も知っているじゃない。」

いやそれは、私が年取ってるからで、、、、と言いかけたら、なんとも体が動き出す。
気が付いたら、変な格好で踊りながら、マスターと、♪♪ラーメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ♪♪と歌いだしていた。

「いやいや、このビールの影響はスゴイですね。」
「そうでしょう。楽しくなったでしょ。」とマスター答えたが、奥のステージの女子大生が、凡とマスターの歌に続いて、♪♪パーリコト パナナで フライ フライ フラーイ♪♪と歌っていた。

ちょ、ちょっと、あなた、何歳なの?
ステージを見たら、女子大生が、凡にペコリと頭を下げた。
ふわりと揺れたロングヘアーが、可愛い。

(と、ちょっと若い人にはついて行けない話になってしまいましたが、ドリフターズや、テレビCMでも歌われたので、曲を聞いたら、案外知ってる若い人もいるのかもね。)

「というかさ。マスター。どうして、みゆきさんじゃなくて、パイのパイのパイなのよ。もう、ビールに聞かせるなら、みゆきさんだけでいいじゃないの。」
「ええ、みゆきさんの好きな人はみな、そうおっしゃいますが、みゆきさんの曲ばかり聞かせたら、すべてのビールが、こりゃ、エライコトになってしまいますから。」

「エライコト、、、。それは、そうかもですね。」
妙に納得してしまった。

「でも、マスター。誕生を聞かせたビールもあるんですか。それなら、しみじみと飲むことが出来そうですね。」
「ありますよ。でも、およしなさい。たぶん、1杯飲んだだけで、号泣しちゃいますよ。周りを見てください。若い女の子がいっぱいいるでしょ。こんなところで号泣しちゃ恥ずかしくないですか。」

それは、如何にも。
「じゃ、それは、後で1本、テイクアウトでお願いします。」

さあ、もう1杯だけ飲みましょうか。
冷たいのをキューっとやったら、♪♪ラーメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ♪♪って、マスター、もうこのビールは要らないよー。

すると、奥のステージの女子大生が、♪♪パーリコト パナナで フライ フライ フラーイ♪♪と歌ってくれた。
まあ、こんなシチュエーションなら、楽しいかもだ。

っていうか、この世に存在しない「ヤマハビアハウス」の妄想をしている場合ではない。
早く、今夜のお店を見つけなければいけないのだ。

ここはどうだろうという店を見つけたが、隙間から中を覗くと、カウンターに40代の男性が1人飲んでいて、足を、あぐらをかくようにして、裸足の足裏を上に向けて座っている。
こんな客のいる店は嫌だ。
何で、わざわざ松本まで来て、他人の足の裏の匂いを嗅ぎながら、ビールを飲まなきゃいけないんだ。

店というのは、店自体も大切だけれど、中にいる客もまた、重要なのである。
常連なのだろうけれど、この店の品位を落としているのは、この常連なのである。
そんな客は、客ではない。
と、その場を離れた。

他にも、どうかと思った店もあったが、客の1人が店の外にまで聞こえる大声で、喋っている。
ここも止めた。

1時間30分ぐらい歩き回っても見つけることが出来ず、でも、時短であるからして、5時には飲み始めたいが、もう5時を回っている。
急がなきゃ。
ということで、公園の横にあった居酒屋に入ることにした。

見た目は、あまり好きなタイプのお店じゃないけれども、まあ、安そうではある。
それに、カウンターもあって、中に若い女の子がいるのが気になるな。

手の込んだ料理が出てくるイメージじゃなくて、サラリーマンや学生が、安くて、そこそこ飲んだり食べたりできるお店という感じだ。

でも、もう時間が無いので、入った。
「信州ゴールデン新館」さん。

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こういうお店の女の子は、ガサツな子も多いが、この店で、凡が、料理のことなど聞いたら、意外と、笑顔で丁寧に対応してくれるので、急に好感度がアップ。
こういうのが飲んでいる時間を楽しくしてくれる要素なのである。

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まずは、瓶ビールと焼き鳥を注文。
焼き鳥は、奥からサランラップに巻いた少量の鶏肉を持って来て、そこから串を差し出した。
予め串を打ってないんだと、大丈夫なのかと思ったが、焼いた後に、タレにくぐらして、もう1度炙って焼いてくれたので、香ばしくて、これが存外に美味かった。

それに、瓶ビールが、キンキンに冷えているのが嬉しい。
若いころは、あまり冷えすぎているビールは、香りがたってなくてダメだと思っていたが、今は、脳がイカレテきてるのかして、思いっきり冷たいのが気持ちいい。

それに、焼き鳥も、1本から注文できるのもグッド。
カウンターは、オッチャンばかりで、もうこの店では、出会いは諦めるしかない。

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隣に、金時計に金のブレスレットのいかつそうなオッチャンが座った。
山賊焼や、山賊焼が食べたいんやと、店員にタッチパネルの注文をしてもらっている。
それで、やっと山賊焼がサーブされたかと思ったら、なかなか、それに手を付けない。
凡は、気になる。
30分ぐらいしても、一切れも食べないのである。
あんなに、店に入ってきた時に、山賊焼やーって、言ってたのは何だったのだろう。

それも気になるが、焼酎を追加しては、チューハイを作っている。
作る時に、凡にも聞こえるぐらいの声で鼻歌を歌っているのだ。
まあ、おっちゃんが、上機嫌だったら、それでいいんだけどね。

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凡は、信州サーモン刺身というのを注文。
これは何かと問うたら、店長らしき人が出てきて、マスとサーモンを掛け合わせた品種で、子供を産まない1代限りの魚だそうだ。
これは、ここでしか食べれなさそうだね。

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メニューを検討していると、ラムしゃぶがある。
1人前、858円。
注文すると、目の前にコンロを設置して、本格的なラムしゃぶのようである。
肉も、思ったよりあって、これもまた、楽しい一品ではあった。

ということで、いろいろ注文もして、瓶ビール2本、熱燗(岩波)を1本で、5040円だった。
1時間ぐらいいただろう。
まあ、女の子とも話せたし、良かったのではないだろうか。

さてと、、、酔いも回って良い気分だ。
でも、折角だから、もう1軒行きたいところだ。

ということで、ホテルの方に向かって歩いていると、そば屋があった。
アルコール提供がストップするまで、あと30分か。
迷っている時間は無いので、そば屋に入る。
「手前ざる」さん。

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やっぱり、信州といえば、そばが名物でしょう。
始めは、ざるそばでも、軽くと思っていたが、店に入って、若いカップルが天ざるを食べている。
それが、如何にも美味そうだったので、同じものをとママに言う。

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先ずは、生ビール。
暫く待って出て来たのは、衣もサクサクと、やや身は細いが、堂々とした有頭エビと、野菜の天ぷらが、満足感タップリに、山盛りになっている。
見ただけで嬉しい一品だ。

ビールに続いて、酒を、燗を付けて貰って2本。
少しばかり酔いが回ってきたようで、肝心の、蕎麦の味がどうだったかは、よく覚えていない。
美味しかったという記憶の欠片のようなものが残っているが、果たして、どうだったのか。
勿体ない話である。

外に出て、コンビニで水などを買って、そのままホテルに戻るべきなのに、その時の凡は、どうも酔っぱらっていたのでありまして、その足で、モスバーガーに行って、ハンバーガーをテイクアウトしてしまった。

ホテルに戻って、モスバーガーを食べて、ミニボンに電話をして、その電話を切ったら、意識を失った。

夜中に目が覚めると、エアコンで身体が冷たくなっている。
凍死するというのは、こういうことなのかと思って、持って来たTシャツとズボンをはいた。

それにしても、頭が痛いし、胃の具合が悪い。
家から持って来た黄連解毒湯と五苓散と制酸タイプの胃腸薬を飲む。

しばらくしても、まだ辛いので、ホテルの自動販売機でポカリスエットを買って飲む。
韓国に行って二日酔いだったときに、薬を呉れと言ったら、ポカリスエットを出してきた薬局があったけれども、やっぱり効くんだね。

そういえば、急性アルコール中毒の時も点滴をするらしいが、同じような事なのか。
ポカリスエットを飲んで、1時間ぐらいウトウトとしたら、急に回復したようだ。
もう1本、ポカリを買って来て、また飲んだ。

そして、ホテルの室内を楽しむ。
ああ、ここが松本市なんだと。

朝、ミニボンから起きたとメールが入ったので、凡が折り返し電話をしたら、昨夜の凡は、呂律が回ってなかったそうだ。
やっぱり、飲み過ぎだったんだね。

さて、シャワーをして、朝食を頂きにいきましょうか。

IMG_7987.JPG
ご めんなさい。
(ぺこり)

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この記事へのコメント

yukemuri
2021年09月13日 21:01
もしかしたらビールが飲めないのかもと思いましたが、ちゃんとに飲めましたね(笑)
旅先で飲めないほど残念な事はありませんからね
今は色々とあってアルコールを出してないお店も多いですからね
自分も先日の京都ではラーメン屋で飲めただけでしたからね
焼き鳥も一本からOKってのも嬉しいですね
岩波と一緒に写っているのは豚バラかな?
美味そうですよね
最近減量生活をしているので見ると食べたくなります
次のそばもまた天ぷらの盛りが良くて最高ですね!
平 凡蔵。
2021年09月14日 23:58
松本に行くと決めた時から、ビールが飲めるか、真っ先に確認しましたよ。
19時までですが、飲めると分かったので、松本にホテルを取りました。
今度、高山に奥さんと出かけるのですが、ホテルに2回も電話しましたよ。
夕食時にビールは飲めますかと。
んでもって、写真に写っているのは、豚バラです。
1本から注文できるのもいいし、カラシとか、たっぷり付いて来るのがいいですよ。
そういえば、yukemuriさん、ダイエットしているようですが、随分と、体重減りましたね。
私も体重減らしたいのですが、食べるのを抑えるのは、ちょっと覚悟がいりますね。
ごめんなさい。
(ぺこり)

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